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天空交易都市ラクエン

天蓋諸島の商業中心として栄える巨大な空中交易都市

テンパイ・アイランズの中でも最大規模の浮遊島のひとつに建設された交易都市。天蓋議会の公式な交易窓口として機能しており、根の国連合との公式貿易もここを通じて行われる。

常に数十隻の飛行船が往来し、エーテル石、黒曜エーテル鉱、菌糸銀など多様な物資が取引される。市場は三層構造になっており、最上層は天蓋議会公認の正規業者、中層は一般商人、最下層は非公式取引が黙認される区画となっている。最下層では、根の国の食材や霧魚の体液なども密かに売買されている。

ラクエンという名の語源については、天蓋側と根の国側で解釈が異なる。天蓋では「楽園」を意味するとされるが、根の国では古語の「落縁(落ちた縁)」に由来するという説を唱えており、この解釈の差が過去に外交的摩擦を生んだこともある。

大落下研究院の本部もここに置かれており、両陣営の学者が日常的に行き交う、アエテリアで最も多様性の高い都市となっている。

ラクエンの人口の3割近くが「市民権なし」とされる浮動人口だ。シモベ、霧渡りの案内人、根の国から来た行商人、天蓋議会の役人を辞した者——制度の狭間に落ちた人々がこの都市に流れ込む。天蓋議会はこの浮動人口を治安上の問題として定期的に「浄化」しようとするが、ラクエンの経済はまさにこの灰色の人口によって支えられており、完全な排除は不可能だ。

ラクエンの地下には「裏市」と呼ばれる非公式な市場ネットワークが存在する。建物の地下を繋ぐ複雑な通路に形成されており、天蓋議会の巡回路線を完全に把握した場所に展開している。ここでは両陣営の禁制品が一堂に会し、黒曜エーテル鉱から菌糸共生族の菌糸繊維製品まで、公式市場では手に入らないものが取引される。霧の商会の出先機関がこの裏市を仕切っているが、天蓋議会も完全な取り締まりを断念した状態だ。

ラクエンから見た夕景——霧の海が黄金色に染まり、その向こうに天蓋諸島の島影が浮かぶ——は、アエテリア随一の絶景として詩歌に詠まれてきた。この光景を求めて訪れる旅人も少なくない。

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