浮遊廃墟群(フワレイ・アーカイブス)
大落下で崩壊した古都市の断片が霧の海に漂う遺跡群
大落下によって崩壊した天蓋の古都市の断片が、霧の海の上層域に漂い続けている遺跡群。「フワレイ」という名は根の国の言語で「浮かぶ骨」を意味し、死んだ文明の残骸という意味が込められている。
各廃墟の断片は独立した浮遊体として漂い、潮流のように動く霧の流れに乗って互いに引き寄せられたり離れたりを繰り返す。エーテル石が内部に残っているものは今もわずかに発光しており、霧の中で青白い光を放つ様子は、遠目には星空のようにも見える。
大落下研究院はここに調査拠点を置こうとしているが、廃墟の位置が常に移動し構造も不安定なため、恒久的な施設を建てることができない。しかし当時の生活様式や技術の痕跡は部分的に保存されており、エーテル精錬術の原初的な炉の跡や、現在では失われた結晶加工技術の道具なども発見されている。
最も重要な発見は、天蓋議会の前身組織が均衡崩壊の事実を長年隠蔽していたことを示す文書だ。この発見が現在の天蓋議会への不信の根拠となっており、政治的にも極めて敏感な場所になっている。
浮遊廃墟群への探索は「廃墟渡り」と呼ばれる専門の案内人なしには不可能に近い。廃墟の位置が毎日変わるため、昨日の地図は今日には使えない。廃墟渡りの多くはシモベとの混血で、霧の海の気流を読む能力と廃墟の位置を追跡する記憶力を両方持つ。彼らはその知識を極めて高値で売る。
廃墟の中には「封印室」と呼ばれる空間があり、内部の温度と湿度が外部と完全に遮断されている。なぜこれほど完璧に保存状態が維持されているかは謎で、特殊なエーテル石の配置によって自動的に環境が制御されていると推測されている。封印室の中で発見された日用品や衣服は、大落下以前の天蓋の人々の日常生活を克明に伝えており、現在の天蓋文化との連続性と断絶の両方を示している。
霧の商会はこの廃墟を情報の「死書庫」として活用している。消えてほしい文書を廃墟の封印室に隠すことで、どの政府も手が届かない安全な保管場所として機能させているのだ。
同じ種類の要素
- 天空交易都市ラクエン— 天蓋諸島の商業中心として栄える巨大な空中交易都市
- 天蓋諸島(テンパイ・アイランズ)— エーテル石の浮力で空に浮かぶ都市群。12の主要島と無数の小島で構成される。最大の島「中天島」に議会と大図書館がある。
- 根の国(ネノクニ)— 光の届かない大地に広がる地下文明。巨大な菌糸ネットワーク「大地の記憶」を通じて情報と生命力を共有する。
- 根の都ネノカ— 根の国の最深部に広がる、菌糸に包まれた地下の聖都
- 霧の海(カスミノウミ)— 天蓋諸島と根の国の間に広がる境界層の霧の海