根の都ネノカ
根の国の最深部に広がる、菌糸に包まれた地下の聖都
ネノクニの最深部に存在する地下都市で、菌糸ネットワークの中枢が集中する場所。地上からは一切見えず、根の国連合の長老会議のみがその正確な位置を知るとされている。
都市全体が巨大な菌糸の網に包まれており、内部は発光菌糸が作り出す青と白の光に満たされている。人工的な照明は一切なく、生命の発光だけで都市が輝く様子は、地上の星空とはまったく異なる幻想的な光景だという。
シモベが生まれた場所とも言われており、根の国連合はここを最も神聖な土地として外部への公開を完全に拒否している。建築は石と菌糸を複合的に使用した独自の工法で作られており、数百年にわたって構造が自己修復し続ける性質を持つ。
一説によれば、大地の記憶の最も古い記録はここに保存されているという。根の国連合が長年にわたって大落下研究院との情報共有を渋る最大の理由は、ネノカの存在を知られることへの恐れだと推測されている。
ネノカへの入場は段階的に制限されている。根の国連合の一般市民は存在を知るが、場所を知らない。都市の長老たちは場所を知るが、内部の深部には入れない。菌糸共生族の長老のみが、最も深い「核心の間」に立ち入ることができるとされる。
核心の間に何があるかについては、根の国連合内でも語ることがタブーとされている。ただし根の国の詩歌には「地の心臓が脈打つ場所」「大地の記憶が自らを覚えている場所」という表現が繰り返し登場する。大落下研究院は、核心の間に大落下以前の完全な地質記録が保存されており、それが第二の大落下を防ぐ鍵になると確信しているが、根の国連合はその推測さえ否定も肯定もしない。
ネノカの周辺では菌糸の密度が他の地域の数十倍に達し、接地を行うと通常の百倍以上の情報量が流入するため、一般の根の国民でさえ近づくことが危険とされる。特別な訓練を受けた「深行者」のみがネノカへの経路を案内できる。
ネノカへ到達した唯一の外部者の記録がある。150年前、霧の商会の創始者の一人とされる人物がネノカに辿り着いたという伝承だ。彼が何を見て何を持ち帰ったか——それが霧の商会の「最も古い秘密」として内環に受け継がれているという。
同じ種類の要素
- 天空交易都市ラクエン— 天蓋諸島の商業中心として栄える巨大な空中交易都市
- 天蓋諸島(テンパイ・アイランズ)— エーテル石の浮力で空に浮かぶ都市群。12の主要島と無数の小島で構成される。最大の島「中天島」に議会と大図書館がある。
- 根の国(ネノクニ)— 光の届かない大地に広がる地下文明。巨大な菌糸ネットワーク「大地の記憶」を通じて情報と生命力を共有する。
- 浮遊廃墟群(フワレイ・アーカイブス)— 大落下で崩壊した古都市の断片が霧の海に漂う遺跡群
- 霧の海(カスミノウミ)— 天蓋諸島と根の国の間に広がる境界層の霧の海