species

霧魚(キリウオ)

霧の海の境界層に生息する、エーテルを吸収して浮遊する半透明の生物

霧の海に適応して進化した固有種。半透明の体を持ち、エーテル粒子を吸収して体内に蓄積することで浮力を得る、魚と水母の中間のような生物だ。

体長は数センチから数メートルまで様々で、大型個体は捕食者として霧の中の旅人に危険をもたらす。体表に吸着した霧のエーテル粒子を排出することで方向転換を行うため、動きは滑らかで予測しにくい。視覚器官はほぼ退化しており、代わりにエーテル濃度の変化を感知するための側線器官が高度に発達している。

霧魚の体液は微量のエーテルを含んでおり、塗布すると数時間ほど物体を軽量化する効果があることが発見された。これを利用した密輸業者が霧の商会のルートで体液を高値で取引しており、天蓋議会は採取を違法としているが取り締まりは困難だ。

発光する個体は「灯魚」と呼ばれ、霧の中で目印として利用されることがある。灯魚を捕まえてかごに入れ、霧の海の道案内に使う技法を持つ案内人は「霧渡り」と呼ばれ、密輸業者に重宝されている。

霧魚の生態には謎が多い。最も大きな謎は繁殖だ。霧の海の内部以外で霧魚の卵や幼生が発見されたことが一度もない。霧の商会の密輸業者が成体を霧の外に連れ出した事例はあるが、いずれも24時間以内に死亡する。霧魚は霧の海の外では生きられない——これは単なる環境適応なのか、それとも霧の海そのものが霧魚の「体の一部」として機能しているのか、大落下研究院の生物部門が調査を続けている。

大型の霧魚は群れを形成することがある。「霧の船団」と呼ばれるこの群れに遭遇した探索者の話では、霧魚が協調して人間を包囲し、エーテル粒子を大量に排出することで局所的な重力変動を起こし、人間の方向感覚を完全に奪ったという。群れとしての知性的な行動があるかどうかは証明されていないが、個体の本能だけで説明するには組織的すぎるという証言が複数ある。

霧魚の体液から作る「霧の香水」がラクエンの裏市で人気を集めている。体に塗ると霧の海に似た微妙な香りが漂い、シモベが近づかなくなる効果があるとされ、霧渡りが愛用している。

同じ種類の要素

  • エーテル鷲天蓋諸島で飼い慣らされた、エーテル粒子を体内に持つ巨大な飛行猛禽
  • シモベ天蓋諸島と根の国の間——「中空」に棲む翼を持つ種族。両文明の仲介者であり、密輸商人でもある。
  • 菌糸共生族根の国の深部で菌糸ネットワークと生物学的に融合した特殊な種族

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