
石蝶 イシノチョウ
冷徹で計算高い。天蓋議会の権力維持を最優先するが、内心では大落下を恐れている。
天蓋議会の最高権力者にして第7段階精錬師。大落下を知りつつ隠蔽する。
バックストーリー

天極島出身の第7段階精錬師であり、天蓋議会の実質的な最高権力者。石蝶の名は、エーテル石を蝶のように軽やかに操る精錬技術に由来する。大落下の予兆を最も正確に把握しているのはイシノチョウ自身だが、この情報を公開すれば天蓋諸島にパニックが起き、議会の権威が失墜することを恐れている。彼は「情報の管理こそが統治の本質」と信じ、ソラの活動を危険視して監視下に置いている。
権力への道
天極島の精錬師一族に生まれたイシノチョウは、幼少期から第一段階の精錬術を徹底的に叩き込まれた。天蓋議会が評価するのは才能ではなく結果だと早くから悟り、エーテル石の制御技術を磨くことに全ての時間を注いだ。第7段階精錬師の試験を三十歳で突破した者は、過去百年で彼一人だけだ。精錬師ギルドの長を兼任し、天蓋諸島の経済基盤を一手に握るまでに二十年かからなかった。権力を積み上げたのは野望からではない。秩序が崩れることへの、根深い恐怖からだ。それが皮肉にも、自分自身を最大の情報隠蔽者にした。
静かな疑惑
問題は、最高権力者の地位に就いた瞬間から始まった。機密扱いの観測データが、大落下の予兆を一貫して示し続けていた。根の国との協力など、最初は考えもしなかった。天蓋議会にとって根の国は「下の者」であり、対等な交渉相手ではない。だがソラの調査が表面化し、ツチの菌糸残響が議会の監視網に引っかかった今、イシノチョウは別の問いと向き合い始めている——情報を管理し続けることが、もはや天蓋諸島を守ることと一致しないかもしれないという、声に出せない疑惑だ。組織を守るために秘密にしてきたことが、今や組織ごと滅ぼす可能性を持っている。