天蓋議会
天蓋諸島の統治機関。12島の代表が集う合議体だが、上層島の発言力が圧倒的に強い寡頭制。

天蓋議会は、天蓋諸島の最高統治機関であり、12の主要島からそれぞれ選出された代表によって構成される。議場は中天島の議会堂に置かれている。
名目上は対等な合議体だが、実際にはエーテル石の産出量と純度に比例して発言力が割り当てられる「石量議決制」が敷かれており、上層3島(天極島・晴嵐島・白雲島)が事実上の支配権を握る。下層島の代表は「傍聴席の飾り」と自嘲することもある。
近年の大落下の予兆に対し、議会は公式に「科学的根拠に乏しい」との立場を取っているが、一部の議員は秘密裏に根の国との連携を模索し始めている。
天蓋議会の歴史は、大落下から約80年後の「建国評議会」にさかのぼる。当時の12島の指導者たちが集まり、資源の共同管理と外敵への共同防衛を誓ったのが原型だ。しかし「外敵」とは本来、根の国を意識していたわけではなく、島同士の略奪行為を防ぐためのものだった。皮肉なことに、現在も島間の政治的略奪——通行税の不当な引き上げや、エーテル石採掘権の独占——は最大の問題であり続けている。
石量議決制の外側で実質的な権力を持つのが「精錬師ギルドの後援会議」だ。表向きは諮問機関だが、エーテル精錬術の供給を握ることで議員の判断に強い圧力をかけることができる。大落下研究院がエーテル石枯渇の警告を発したとき、最初に情報封鎖を求めたのはこの後援会議だったという証言がある。
下層島の代表たちは「低空同盟」と呼ばれる非公式の連携を結成しており、上層島支配への対抗軸を形成しようとしている。彼らは根の国連合との直接交渉権を求めており、それが認められれば天蓋議会の仲介機能を迂回できる。この動きを天蓋議会の上層島代表たちは最大の内部脅威として警戒している。
天蓋議会の最大の内部問題は「石量議決制」をめぐる下層島の不満だ。エーテル石産出量が低下する中で、上層島の支配権は相対的に強まっている。下層島の代表が議会を「変革すべき」か「離脱すべき」かをめぐる議論は、大落下の予兆が現実化するにつれて激化の一途をたどっている。